「ITパスポート(iパス)を取得したが、次にどの資格を学ぶべきか迷っている」
「自社のDX推進やセキュリティ強化を牽引するために、さらに実務に直結する知識を身につけたい」
多くの企業や自治体でクラウドサービスや生成AIの活用が日常化する中、ITパスポートの合格はゴールではなく、デジタル時代を生き抜くための「スタートライン」と言えます。
ITパスポートで得た客観的な基礎知識をベースに、さらに専門性を深めることで、社内での意思決定やデータガバナンスの構築において、真に主導権を握る人材へとステップアップできます。
本記事では、ITパスポート取得後のネクストステップとして特におすすめの3つの資格(SG、G検定、DS検定)を徹底比較し、自社の課題や目指すキャリアに合わせた選び方をわかりやすく解説します。
1. 【一目でわかる】ITパスポート取得後におすすめの4資格比較表
まずは、ネクストステップとして有力な各資格の概要、難易度、実務での位置づけを客観的に比較できるよう、以下の表にまとめました。
| 資格・制度名 | 特徴・中心となる学び | 想定される実務での活かし方 |
| 情報セキュリティマネジメント試験(SG) | セキュリティ、コンプライアンス、リスク管理に特化 | セキュリティポリシーの策定、安全管理措置の評価、委託先監査 |
| G検定(ジェネラリスト) | AI・ディープラーニングのビジネス活用と倫理・法律 | 生成AI利用規程の策定、AIツールの適合性評価・導入 |
| DS検定(データサイエンティスト検定) | データサイエンス、統計学、SQL、データエンジニアリング | 業務データの分析・可視化、データに基づく意思決定 |
| DX推進パスポート(※) | iパス・G検定・DS検定の試験合格数に応じて発行されるデジタルバッジ制度 | 組織のDXリテラシーの可視化、社内デジタル人材の証明 |
(※注)「DX推進パスポート」は単体の試験ではなく、ITパスポート、G検定、DS検定の合格数に応じてデジタルリテラシー協議会から発行される認定制度(デジタルバッジ)です。
2. おすすめ資格①:情報セキュリティマネジメント試験(SG)
どのような資格か
ITパスポートのワンランク上(スキルレベル2)に位置づけられる国家試験で、組織の情報セキュリティ管理に特化しています。
企業・実務で活きる場面
法改正への対応や個人情報保護の重要性が増す現代ビジネスにおいて、最も実務的な資格です。
機密性・完全性・可用性(CIA)の原則に基づき、自社のセキュリティポリシーを策定したり、外部ベンダーの安全性を客観的に適合性評価したりするスキルが身に付きます。
総務、人事、法務などの管理部門や、情報システム部門(情シス)へのステップアップを目指す方に最適です。
3. おすすめ資格②:G検定(ジェネラリスト)
どのような資格か
一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施する、AIやディープラーニングをビジネスに活かすための知識を問う試験です。
企業・実務で活きる場面
2026年現在、生成AIを業務に組み込む企業や自治体が急増していますが、同時に「情報漏えい」や「著作権侵害」といった新たな脆弱性も顕在化しています。
G検定を学ぶことで、AIの仕組みや限界、利用時の法的・倫理的リスク(オプトアウトの必要性など)を客観的に理解できます。
これにより、現場の利便性を損なわずに安全な「生成AI利用規程」を整備・運用する主導権を握れるようになります。
4. おすすめ資格③:DS検定(データサイエンティスト検定)
どのような資格か
一般社団法人データサイエンティスト協会が実施する、データサイエンスの基礎、統計学、データの取り扱い手法(SQLなど)を網羅した試験です。
企業・実務で活きる場面
「勘と経験」という主観的な意思決定や、前例踏襲の現状維持バイアスを排し、客観的なデータに基づいて業務改善やマーケティング戦略を立案する思考ルーティンが身に付きます。
社内の膨大な業務データを分析・可視化し、DX(デジタルトランスフォーメーション)の具体的な施策へ落とし込みたい担当者におすすめです。
5. 【注目】IT・AI・データスキルの三冠証明「DX推進パスポート」とは?
ITパスポート取得後のキャリアを考える上で、現在非常に注目されているのが「DX推進パスポート」というデジタルバッジ制度です。
デジタルリテラシー協議会が提唱するもので、これまでに紹介した「ITパスポート」「G検定」「DS検定」の3つの試験の合格数に応じて、3段階のデジタル証明バッジが無料で発行されます。
- DX推進パスポート1:3つのうち、いずれか1つに合格
- DX推進パスポート2:3つのうち、いずれか2つに合格
- DX推進パスポート3:3つすべて(IT・AI・データサイエンス)に合格
(※ITパスポートについては、DX対応シラバスとなった2021年4月以降の合格者が対象となります。)
企業や自治体がこの制度を推奨することで、社内のデジタルスキルの保有状況を客観的に可視化でき、人材育成のKPIとして活用する動き(DX銘柄企業での導入など)が活発化しています。
ITパスポートに合格した方は、すでに「DX推進パスポート1」の権利(または次のバッジへの足がかり)を得ているため、これをモチベーションにG検定やDS検定へ挑戦するロードマップが非常に美しく、おすすめです。
6. 資格取得の限界:担当者の知識を「全社の防衛力」に変えるには
これらの資格を通じて、担当者が客観的かつ高度なIT・AI・セキュリティの知見を身に付けることは、組織のガバナンスにとって大きなプラスです。
しかし、「担当者が合格したから、会社のDXやセキュリティは安心だ」と判断するのは、組織に深刻な盲点(脆弱性)を残すことになります。
なぜなら、実際の情報漏えいやサイバー攻撃、あるいは生成AIへの機密データ誤入力(シャドーIT)といったインシデントは、リテラシーの高い「資格を持つコアメンバー」のPCからではなく、組織の中で最もITリテラシーが薄く、ルールの必要性を理解していない「一般社員」や「パート・派遣社員」のわずかな隙(うっかりミスや規程の形骸化)から発生するためです。
資格は組織を牽引するリーダーの「脳(専門性)」をアップデートするのには最適ですが、組織全体の「手足(全社の日常動作)」まで安全に動かすためには、全従業員を対象とした継続的な「情報セキュリティ研修」を組み合わせるワークフローが必要不可欠です。
よくある質問(FAQ)
Q. ITパスポートの後に受けるなら、結局どれが一番実務で汎用性が高いですか?
A. 組織のリスク管理やコンプライアンス強化が最優先なら「情報セキュリティマネジメント試験」、業務効率化や生成AIの活用推進が目的なら「G検定」が現実的です。
自社で今最も求められている適合性を評価し、選択するのが効果的ですが、「DX推進パスポート」のコンプリート(バッジ3)を目指して、G検定とDS検定を続けて受験するワークフローも、自身の市場価値を客観的に高める上で非常に強力な選択肢です。
まとめ:学んだ知識を組織の共通言語へ
ITパスポートで得た基礎をもとに、次のステップへ進むことは、デジタル社会における自社の競争力と防衛力を高める最高の投資です。
- セキュリティ強化なら「SG」、AI活用なら「G検定」、データ分析なら「DS検定」がネクストステップの王道。
- これらを組み合わせることで、自身のデジタルリテラシーを証明する「DX推進パスポート」のバッジを取得でき、組織の人材可視化にも役立つ。
- 資格や規程で知識を身に付けることは重要ですが、企業では一人だけが理解していても十分ではありません。全従業員が実践できるようにするためには、継続的な情報セキュリティ研修が欠かせません。
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