はじめに
クラウドサービスの利用が増える中、そのセキュリティ対策は非常に重要なテーマとなっています。
特に、公共機関や大企業がクラウドサービスを利用する際には、高いセキュリティ基準を満たすことが求められます。
この記事では、アメリカの連邦政府が設定したクラウドサービスのセキュリティ基準「FedRAMP」について詳しく解説します。
FedRAMPの概要
FedRAMP(Federal Risk and Authorization Management Program)は、アメリカの連邦政府がクラウドサービスのセキュリティを評価・認証するためのプログラムです。
このプログラムは、クラウドサービスプロバイダーが連邦政府の情報を安全に管理・運用するための基準を定めています。
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なぜFedRAMPが重要なのか?
- 統一された基準: FedRAMPは、連邦政府全体でのセキュリティ基準を統一することで、各機関が独自の基準を設定する手間を省きます。
- 信頼性の向上: FedRAMP認証を受けたクラウドサービスは、厳しいセキュリティ基準を満たしているため、利用者にとって信頼性が高まります。
- コスト削減: 一度認証を受ければ、他の連邦機関でもその認証を利用できるため、認証のコストや時間を削減することができます。
FedRAMP認証プロセスの詳細
FedRAMP認証プロセスには、個別の機関またはJoint Authorization Board (JAB)を通じてCloud Service Offering (CSO)を認証する2つの方法があります。
- 個別の機関を通じた認証: この方法では、特定の連邦機関がクラウドサービスのセキュリティ評価を行い、その結果に基づいて認証を行います。
- Joint Authorization Board (JAB)を通じた認証: この方法では、JABがクラウドサービスのセキュリティ評価を行います。JABプロセスには、Readiness Assessmentが必要です。このアセスメントは、機関プロセスにはオプションですが、JABプロセスには必須となっています。
クラウドサービス利用時のセキュリティ検討ポイントとFedRAMPの関連性
クラウドサービスを利用する際には、以下のセキュリティのポイントを検討することが重要です。
- データの暗号化: 保存されるデータや通信中のデータが暗号化されているか確認しましょう。
- アクセス制御: 誰がどのデータにアクセスできるのか、アクセス制御がしっかりと行われているか確認が必要です。
- ログの管理: セキュリティインシデントの検出や分析のために、ログが適切に管理されているかを確認しましょう。
- 定期的なセキュリティ監査: クラウドサービスプロバイダーが定期的にセキュリティ監査を行っているか、その結果を公開しているかを確認することが重要です。
FedRAMPの認証を取得しているクラウドサービスは、上記のポイントを基本的にクリアしています。
しかし、具体的な実装や運用状況はサービスプロバイダーによって異なるため、具体的なサービスや状況に応じて確認することが推奨されます。
FedRAMPとISMAPの関連性
ISMAPは、日本の政府情報システムのセキュリティを評価するための制度であり、クラウドサービスのセキュリティを評価し、その結果を公開することを目的としています。
一方、FedRAMPは米国の連邦政府がクラウドサービスのセキュリティを評価・認証するためのプログラムです。両者は異なる国の制度でありながら、クラウドサービスのセキュリティを評価・認証するという共通の目的を持っています。
クラウドサービスを利用する際には、これらの制度やプログラムが提供する情報を参考に、適切なセキュリティ対策を講じることが重要です。
さらに詳しいISMAPに関する情報は、こちらの記事をご参照ください。
この記事では、ISMAPの詳細な概要やその重要性、クラウドサービスのセキュリティ評価における役割などについて詳しく解説しています。
FedRAMPとの関連性を深く理解するためにも、ぜひ一読してみてください。
まとめ
FedRAMPは、クラウドサービスのセキュリティを確保するための重要なプログラムです。
クラウドサービスを利用する際には、FedRAMPの基準を参考にしながら、セキュリティの検討を行うことが必要です。
安全なクラウド利用のために、適切なセキュリティ対策を講じましょう。
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