「大容量の動画やデータを取引先に送りたいけれど、メールに添付できない」 「周りの社員もみんな使っているから、ギガファイル便でデータを送っておこう」
オフィスの現場で、データのやり取りに広く使われている無料の大容量ファイル転送サービス「GigaFile(ギガファイル)便」。
事前の会員登録が不要で、誰でも手軽に大容量ファイルを送受信できるため、非常に便利なツールとして重宝されています。
しかし、社内の情報管理を担う総務や情報システム担当者の中には、「社員が業務で勝手に使って本当に安全なのだろうか……」と不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
結論:ギガファイル便は通信の暗号化やパスワード設定などのセキュリティ機能を備えており、サービス自体が危険というわけではありません。一方で、企業利用では運用ルールを整えないと情報漏えいにつながるリスクがあります。
本記事では、ギガファイル便の安全性やセキュリティ上の仕組みを解説したうえで、企業で利用する際のリスクと、トラブルを未然に防ぐための具体的な運用対策をわかりやすく解説します。
1. ギガファイル便の安全性は?セキュリティ上の仕組み
「無料だからセキュリティ対策が何もされていないのでは?」と懸念されることも多いギガファイル便ですが、システム面では標準的な安全対策が施されています。
通信の暗号化(SSL/TLS)に対応している
ギガファイル便とのデータのやり取りは、SSL/TLSによって通信が暗号化されています。
これにより、フリーWi-Fiなどのネットワークを利用している場合でも、第三者による通信内容の盗聴や改ざんを防ぐ仕組みが整っています。
パスワード設定機能がある
ファイルをアップロードする際、ダウンロード用のパスワード(4桁の数字)を任意で設定できます。
ダウンロードパスワードを設定すれば、URLを知っているだけではファイルを取得できなくなります。
ファイルの保持期間を設定できる
ダウンロード期限を「3日・7日・14日・30日・60日・100日」の中から選択可能です。
期間が経過するとデータはサーバーから自動的に削除されるため、永久にインターネット上に残るわけではありません。
【まとめ】
システムの技術的な安全性においては、基本的なセキュリティ機能は備えられています。
2. なぜ「会社での利用」にはリスクがあるのか?3つの注意点
システム自体は安全であるにもかかわらず、なぜ多くの企業でギガファイル便の利用が警戒されているのでしょうか。
それは、ギガファイル便が「法人向けサービス(法人契約ストレージ)」として設計されていないためです。
① 「URL誤送信」による一発漏洩リスク
ギガファイル便は、発行されたダウンロードURLを知っていれば「誰でも」ファイルを取得できる仕組みです。
もし社員がメールやチャットで送信先のアドレスを打ち間違えた場合、そのURLを開いた見ず知らずの第三者に、自社の機密データや顧客リストを無防備に引き渡してしまうことになります。
② パスワードや保持期間が「個人任せ」になる罠
パスワード設定や保持期間の選択は、アップロードする社員個人の判断(モラル)に完全に委ねられています。
「急いでいるから」「面倒だから」とパスワードを掛け忘れたり、保持期間を最長の100日間に設定して放置されたりした場合、万が一URLが流出した際に被害が拡大するリスクが高まります。
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③ インシデント発生時に「ログ追跡」が不可能
万が一、取引先や顧客から「データが漏洩している」と指摘された際、ギガファイル便のような無料サービスでは「いつ・誰が・どのPCから・何のファイルを送信したか」という企業側の公式なログが残りません。
原因究明もできず、責任の所在も曖昧になるため、企業の社会的信用を大きく損なう原因となります。
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3. 「勝手なツール利用(シャドーIT)」が会社のセキュリティを無効化する
どれだけ強固な法人用クラウドストレージを契約していても、社員が「こっちの方が手軽だから」と管理外の無料ツールを勝手に使う行為(=シャドーIT)を行っていれば、会社のセキュリティ防壁は内側から崩壊します。
- 管理外のルートでの送受信: 情報漏洩が起きても総務や情シスが検知すらできない
- インフラ対策の形骸化: どんなに高額なセキュリティシステムを導入しても、社員の「うっかり」ひとつで抜け穴ができる
セキュリティ事故を防ぐためには、「システムの安全性を調べること」と「それを扱う社員のリテラシーを高めること」を必ずセットで進めなければなりません。
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4. 総務・情シスが今すぐ講じるべき「運用と教育」の防衛策
現場の「大容量データを送りたい」という業務上のニーズをただ禁止するだけでは、社員はまた別の隠れた無料ツールを探して使い始めるだけです。
組織として以下の「仕組み化」を進めることが重要です。
① 法人用ファイル共有サービスの導入・ルール化
Box、Google Workspace、Microsoft 365など、会社側でアクセスログを保持・監視できる法人用ストレージを用意し、「社外へのデータ送信は必ず指定サービスを使う」という公式ルートを一本化します。
② 日常的な啓発によるリテラシーの定着
業務に追われている瞬間は、「今回だけ無料ツールを使おう」という誘惑に負けがちです。
オフィスの動線やPC周辺など、毎日目にする場所に「許可のない外部ツールの無断利用禁止」といった基本ルールを掲示し、意識を刷り込む環境づくりが効果的です。
③ プロの教材を活用した社員教育の実施
なぜ無料ツールの勝手な利用が危険なのかを、総務が通常業務の合間にゼロから資料化して教育するのは大きな負担がかかります。
すでに完成している研修動画などの専門教材を賢く活用し、最小限の手間で社内全体のセキュリティ水準を引き上げるのがスマートな選択です。
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5. ギガファイル便の安全性に関するよくある質問(FAQ)
Q1. ギガファイル便は安全ですか?
A. システム上の安全性は確保されていますが、運用のリスクが存在します。
通信の暗号化(SSL/TLS)やダウンロードパスワード機能、自動削除設定など、一般的なファイル転送サービスと同等レベルのセキュリティ対策が講じられています。
ただし、誤送信やアクセス管理の面で個人任せになりやすいため、企業利用では注意が必要です。
Q2. ギガファイル便は会社で使っても大丈夫ですか?
A. 会社のセキュリティ規程(ルール)がない状態での無断利用はおすすめできません。
企業での利用では「誰が・いつ・どのファイルを送ったか」のログ追跡ができないため、情報漏洩が発生した際に原因調査が困難になります。
社内で許可された法人向けサービスを利用するか、明確な利用ガイドラインを設けて運用することが推奨されます。
Q3. ギガファイル便のパスワード設定だけで安全ですか?
A. パスワード設定のみで完全な安全とは言えません。
パスワードの設定自体は第三者の閲覧を防ぐ有効な手段ですが、URLとパスワードを同じメール・チャットで送信してしまうと、誤送信時の誤接続を防げません。
また、保持期間を長く設定しすぎることによる放置リスクも残ります。
Q4. 企業ではどのようなファイル共有サービスを利用すべきですか?
A. 「アクセスログの保持」「詳細な権限管理」「法人契約」ができるクラウドストレージの利用をおすすめします。
Box、Google Drive(Google Workspace)、OneDrive / SharePoint(Microsoft 365)など、管理者側で通信やデータの移動履歴(操作ログ)を監視・追跡できる法人向けサービスの利用が安心です。
社員のセキュリティ意識を高め、組織の情報を守るために
システムをどれだけ安全に整えても、最終的にデータを扱うのは「人間(社員)」です。たった一度の「うっかり」や「油断」による情報漏洩事故から会社の利益と信用を守るためには、継続的な社員教育とルール定着が欠かせません。
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